「表現の自由の優越的地位」と「二重の基準」
経済的自由と比較して、表現の自由を中心とする精神的自由は、優越的地位を有している。
経済的自由が不当に侵害された場合は、「投票箱と民主政の過程」によって、これを是正することが可能である。
これに対し、表現の自由を中心とする精神的自由が不当に侵害された場合は、「投票箱と民主政の過程」自体が傷つくことになるので、これによって是正することが困難となる。だから、経済的自由と比較して、表現の自由を中心とする精神的自由に対する規制については、司法過程(裁判所)によりその合憲性が厳しく吟味される必要があるという考え方が有力である(二重の基準)。