米国の知的所有権保護政策(1)
クリントン大統領が就任直後に「情報スーパーハイウェイ」の名前で知られる「NII(全米情報インフラストラクチャー)構想」を提唱するとともに、「情報基盤タスクフォース」(IITF)を組織。
IITFの情報政策委員会に設置された知的財産権ワークグループは、情報スーパーハイウェイ実現に要する知的財産権政策の検討をテーマとして、1994年7月の「グリーンペーパー」に続き、1995年9月には「ホワイトペーパー」と呼ばれる報告書を公表して、デジタル著作権の保護強化策を打ち出している。
これらの報告書では、メモリーへの一時的蓄積は複製に該当するという米国特有の主張を前提として、ネットワーク上の著作物を利用する行為は、メモリーへの一時的蓄積を伴うので複製行為に該当するとし、また、ネットワークにアップロードする行為は複製物の配布行為にあたるとして「頒布権 (distribution)」 による保護を及ぼそうとしている。